時々、口座使い分けてる?銀行と同じで複数に分散したほうがいいの?と聞かれるので、比較してみました。すでに一つ持っている方はもちろん、これから口座を解説する人にも参考になればと思います。
この記事の結論
結論から言うと、SBI証券と楽天証券は無理に1社に絞らず、2口座持ちするのがお得です。
2つの口座を併用することで、クレカ積立でポイントがつく上限枠を増やせるほか、それぞれのポイント還元をいいとこ取りして効率よく資産を増やせます。
ポイント還元で比較する「3つの違い」
投資信託の保有残高による還元
SBI証券も楽天証券も、口座にある投資信託の評価額に対して、毎月、ポイントが付与されます。
違いは、ポイントがもらえる対象ファンドの範囲と、付与されるタイミングです。
| SBI証券 | 楽天証券 | |
|---|---|---|
| ①対象 | 幅広い投資信託 | 指定の6銘柄(楽天・プラスシリーズ)およびその他のファンド |
| ②頻度 | 毎月 | 指定6銘柄は「毎月」 その他のファンドは基準額達成時の「1回のみ」 |
| ③還元率 | 年率0.1%〜0.15%など(残高1,000万円以上で0.2%〜0.25%にアップ) | 指定6銘柄は年率0.017%〜0.053% その他のファンドは10万円〜2,000万円達成ごとに10〜500ポイント |
| 保有残高500万円の例 | 年率0.1%の場合、年間 5,000ポイント | 年率0.028%の場合、年間 1,400ポイント |
SBI証券は、特定の銘柄に限らず、幅広いファンドで毎月継続してポイントが貯まります。
楽天証券は、対象の6銘柄を買う場合は毎月還元されますが、それ以外のファンドで毎月ポイントがもらえる仕組みはありません。
🤔楽天証券でオルカンとS&P500を保有しているのですが、指定6銘柄以外のものを購入してしまっていた・・(涙)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) → 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
クレカ積立・キャッシュレス積立の還元率
毎月の投資信託の積立をクレジットカードや電子マネーで決済し、ポイントを獲得できるサービスです。決済手段、月間の積立上限額、そして還元率が決まる仕組みに大きな違いがあります
SBI証券は、主なカードの種類は、三井住友カードとOliveフレキシブルペイの2種。 ポイント還元率は、カードのランクにより、0.5%から3.0%まで。 ポイント還元の適用条件として、年間の利用額がある。
楽天証券は、楽天カードが前提。 ポイント還元率は、カードのランクにより、0.5%から2.0%まで。 ポイント還元の適用条件は、楽天カードの利用以外にありません。
| SBI証券 | 楽天証券 | |
|---|---|---|
| 対象 | 三井住友カード Oliveフレキシブルペイ | 楽天カード、楽天ペイ(残高) |
| ポイント還元率 | カードのランクにより、 0.5%から3.0%まで。 | カードのランクにより、 0.5%から2.0%まで。 |
| ポイント還元の適用条件 | カードのランク 前年度の年間利用額 | カードのランク 購入ファンドの代行手数料率 |
| 積立上限 | 毎月10万円まで | 毎月15万円まで (楽天カード10万円+楽天ペイ5万円) |
🤔この恩恵にはあやかりたい。早期リタイア予定だけど、その後もなんとか毎月25万円は手取りでほしいなぁ。
貯まるポイントの種類とグループ連携
SBI証券と楽天証券では、貯められるポイントの選択肢や、関連グループサービスとの連携による特典が大きく異なります。
SBI証券は、Vポイント、Pontaポイント、PayPayポイントなどから好きなメインポイントを1つ選択できます。グループ連携としては、三井住友カードや三井住友銀行(Olive)との親和性が高く、条件を満たすと対象のコンビニや飲食店で還元率が上がる「Vポイントアッププログラム」などの特典があります。
楽天証券は、楽天ポイントに統一されています。グループ連携として、楽天銀行との口座連携(マネーブリッジ)や所定のポイント投資を行うことで、楽天市場での買い物還元率がアップする「SPU(スーパーポイントアップ)」プログラム(最大+1倍)の対象となります。
| 項目 | SBI証券 | 楽天証券 |
|---|---|---|
| 貯まるポイントの種類 | Vポイント、Pontaポイント、PayPayポイントなどから選択 | 楽天ポイント |
| グループ連携・特典 | 三井住友カード・銀行連携、Vポイントアッププログラム(対象店舗での還元率アップ) | 楽天銀行連携(マネーブリッジ)、SPU最大+1倍(楽天市場での還元率アップ) |
SBI証券と楽天証券を併用する3つのメリット
「ポイントを最大限に獲得しながら効率よく運用したい」という方には、両方の口座を開設して併用する「2口座持ち」がおすすめです
メリット1:獲得できるポイントの額が増える
1つ目のメリットは、ポイントが付与されるキャッシュレス積立の上限額を大幅に増やせるため、獲得できるポイントの額が増えます。
2つの口座を併用すれば毎月最高25万円までキャッシュレスで積み立てながら、全額ポイント還元の対象にできます。
メリット2:異なるポイント経済圏の特典をいいとこ取りできる
SBI証券では三井住友カードやOliveの利用によってVポイントを効率よく貯めることができ、楽天証券では楽天カード決済やポイント投資を行うことで楽天市場での買い物還元率が上がるSPU(スーパーポイントアップ)プログラムを活用できます。
2つの口座を併用することで、街での買い物や銀行取引ではVポイントを貯めつつ、楽天市場でのお買い物では楽天ポイントの還元率を高めるといったように、それぞれの経済圏の特典を無駄なく利用できます。
メリット3:買いたい銘柄に合わせてポイント還元を最適化できる
SBI証券と楽天証券では、投資信託を保有している間にもらえるポイント(保有残高還元)の対象銘柄や仕組みが異なります。
SBI証券の「投信マイレージ」では、人気のeMAXIS Slimシリーズをはじめとする幅広いインデックスファンド(通常銘柄)で、残高に応じたポイントが毎月付与されます。
一方、楽天証券の「投信残高ポイントプログラム」では、指定された低コストファンド(楽天・プラスシリーズ)を保有することで毎月ポイントが貯まる仕組みになっています。
そのため、「eMAXIS Slimシリーズを購入して保有ポイントを受け取るならSBI証券」「楽天・プラスシリーズを購入するなら楽天証券」というように、買いたい投資信託の銘柄に合わせて口座を使い分けることで、保有期間中のポイント還元を無駄なく最大化できます。
2社持ちする際の注意点
NISA口座はどちらか1社でしか開設できない
NISA口座は法令上、同一年内に1人1つの金融機関でしか開設・利用できません。そのため、どちらでNISA口座を開くか、検討しておく必要があります。
NISA口座の選び方の例
- メインで使っている「クレジットカード」と「年間利用額」で選ぶ
- 三井住友カードを所有し、前年のカード利用条件を満たせる場合はSBI証券でもいいが、楽天カードを所有しているのなら、利用額は気にしなくてよい。
- 活用している「生活経済圏(ポイント)」で選ぶ
- 楽天経済圏、Vポイント経済圏(コンビニや飲食店)
- ポイントを使って「米国株」の購入代金に充てたいかで選ぶ
- 貯まったポイントで米国株式(円貨決済)を購入したい場合:ポイント投資の対象に米国株が含まれる楽天証券が向いています
資金分散による管理コスト
証券口座を2つに分けるため、IDやパスワードの管理、ならびに資産全体の損益や保有銘柄の把握に少し手間がかかります。 また、各社でクレカ積立の引き落とし日や設定の締め切りスケジュールが異なるため、銀行口座の資金管理にも注意が必要です。
資金移動の手間は、SBI証券は三井住友銀行や住信SBIネット銀行、楽天証券は楽天銀行(マネーブリッジ)といった銀行連携サービスで減らせます。
シミュレーション:S&P500を毎月1万円積み立てたとすると
人気のS&P500に毎月1万円(年間12万円)を積み立てた場合、1年間でどれくらいポイントが貯まるのか試算してみました。現金積立では0ポイントですが、クレカ決済を活用するだけで自動的にポイントが還元されます。
パターン1:SBI証券で「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を積立
- クレカ積立(三井住友カード NL・還元率0.5%):年間600ポイント(毎月50ポイント)
- 投信マイレージ(保有残高還元・年率0.1%):年間約60ポイント(初年度平均残高約6万円で試算)
- 初年度の合計獲得ポイント:約660ポイント
📌三井住友カード ゴールド(NL)等で年間利用条件を満たし、還元率が1.0%になる場合は、クレカ積立分が年間1,200ポイントとなります。
パターン2:楽天証券で「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」を積立
- クレカ積立(楽天カード一般・還元率0.5%):年間600ポイント(毎月50ポイント)
- 投信残高ポイントプログラム(年率0.028%):年間約16ポイント(初年度平均残高約6万円で試算)
- 初年度の合計獲得ポイント:約616ポイント
📌楽天ゴールドカード(0.75%)ならクレカ分が年間900ポイント、楽天プレミアムカード(1.0%)なら年間1,200ポイントとなります。
一般的な年会費無料カードでも年間600ポイント以上、カードのランクや利用条件次第で年間1,200ポイント以上の還元を受けられます。
自分の投資スタイルに合わせて2つ目の口座を
ポイント還元の仕組みや得意な銘柄が異なるため、どちらか1つだけに絞ってしまうのは非常にもったいない選択です。両方の口座を開設して「2口座持ち」にすることで、キャッシュレス積立の枠を月25万円まで広げ、年間でもらえるポイントを最大化できます。
SBI証券も楽天証券も、口座開設や維持にかかる費用は無料です。
まずはメインで使う口座を決めてNISAからスタートし、投資額が増えてきたらサブ口座を開設して併用を始めるのがスムーズです。
よくある質問
Q1:NISA口座はあとから別の証券会社に変更できますか?
A1:はい、年単位で変更が可能です。ただし、変更したい年に一度でもNISA枠で買付を行っている場合は、その年分の金融機関変更はできず、翌年分からの変更となります。
Q2:家族名義のクレジットカードを使って積立投資はできますか?
A2:いいえ、できません。証券口座の名義人とクレジットカードの名義人は同一である必要があり、家族カードでの決済も不可とされています。必ずご本人名義のカードをご用意ください。
Q3:貯まったポイントは投資以外にも使えますか?
A3:はい、日常のお買い物にも使えます。SBI証券で貯まるVポイントは対象のコンビニやファミレス、街の加盟店などで利用でき、楽天証券で貯まる楽天ポイントは楽天市場や楽天グループの各種サービスで1ポイント=1円として利用可能です。
Q4:2つの証券口座を使うと確定申告の手間が増えませんか?
A4:いいえ、手間は増えません。NISA口座での取引や、口座開設時に「特定口座(源泉徴収あり)」を選択していれば、証券会社が税金の計算・納付を自動で行ってくれるため、原則として確定申告は不要です。